貴社のメイン事業はプロジェクト推進や事業戦略、DXコンサルティングですが、事業内容の一つとしてWEB制作を行う理由は何でしょうか?


理由は大きく二つあります。一つ目は、私たちが事業戦略や集客支援を行う中で、WEBサイトの改善や新規事業におけるWEBサイト制作の必要性を強く感じることが多いためです。ただ戦略を立てるだけではなく、具体的なツールとしてWEBサイトが欠かせないことが多いんですよ。

もう一つの理由は、ただ美しいホームページを作るだけでは本当の集客にはつながらないからです。ターゲットとなるペルソナをしっかりと明確にして、そのペルソナに「見てもらえる」「共感してもらえる」サイトを作らなければ、成果を生み出せません。

ペルソナ設計の重要性について教えてください。


ターゲットが曖昧なサイト、つまり「あれもこれも全員が顧客です」というような方向性では、結局ブレてしまって成果には結びつきません。その上、無駄にページ数が増えて、費用も膨らみがちです。さらに、反響数が増えたとしても、対応する人が疲弊するだけです。仮に受注できたとしても、それがペルソナ外の案件だった場合、事後の対応で苦労することも多い。

また、会社の過剰なPRが、結果的に営業担当や従業員の疲弊やクレームにつながるケースも少なくありません。だからこそ、ペルソナ設計は最優先にすべきだと考えています。

「過不足のない提案」という評価が多く見られますが、過不足とは具体的にどういう意味ですか?


機能やデザインについて「過不足」という視点で見ると、世の中の多くのウェブ制作は「過剰」になりがちです。例えば、どうせ運用できないようなブログ機能や、必要以上に細かい資料請求の導線、そして詳細すぎる事業説明などがその典型です。

制作会社としては制作金額が増えるので良いのかもしれませんが、顧客からすると無駄なコストが増えるだけです。ウェブ制作は、必要なものだけを取り入れ、過剰なものを省くことで本当に価値のあるサイトになると考えています。

コンサルティング会社ならではの強みはどのような点でしょうか?


私たちは、WEB集客における優先順位や軽重を正確に伝えることができます。コンサルティング会社だからこそ、夢を見すぎず現実的で堅実な方法論を提案できるのが強みです。また、制作後のWEBマーケティングや費用対効果についても具体的にアドバイスします。

さらに、WEB集客以外のチャネルの提案や、ブランディングの視点で会社の強みを最大限にPRするサポートも可能です。こうした総合的なアプローチが、コンサルティング会社ならではの価値だと思っています。

御社で制作したお客様の採用力が向上したとの声もありますが、それはなぜでしょうか?


ホームページは集客だけではなく、採用にも大きく寄与します。採用の導線設計や、反響を取るためのノウハウを活用することで、採用ページを充実させています。また、表面的な良い言葉だけを並べるのではなく、企業の本質的な想いを真摯に表現することにこだわっています。

これにより、求職者の心に響くコンテンツを提供でき、採用力が高まっているのだと思います。

「制作プロジェクト期間がまるでコンサルを受けているようだ」との評価が多い理由は何でしょうか?


ホームページの制作期間は約3ヶ月が一般的ですが、その間に単なる制作だけでなく、事業や集客の戦略コンサルティングも併せて行っています。頻繁な打ち合わせを通じて、クライアントの課題や目標に寄り添うことを重視しているんです。

さらに、必要に応じてリソースや協業先を紹介するなど、ウェブ制作を超えた付加価値を提供しています。こうした取り組みが、クライアントに高く評価されている理由だと思います。

IT保守の経験がWEB制作にどのように生きているのでしょうか?


例えば、作りかけのウェブサイトを引き継ぐことがよくあります。また、サーバー周りに強いので、制作後の運用がスムーズに進むように準備を整えています。単に「アップロードはお客様でお願いします」というような対応はせず、事前にサーバー環境をヒアリングして、最後まで責任を持つのが特徴です。

また、見積もりが明確で、保守費用も含めてトータルコストをしっかり提示するため、クライアントからの信頼も厚いですね。

ウェブ制作の進行におけるディレクションやファシリテーションが高評価されていますが、その理由を教えてください。


私たちは、制作プロジェクトを丸投げすることはありません。例えば、質問に対して例文やたたき台を用意することで、クライアントが回答しやすいようにサポートしています。また、答えにくい質問をしないのも工夫の一つです。

さらに、社内意見をまとめるためのヒアリングシートやメールのテンプレートを用意し、打ち合わせもスムーズに進行します。こうした丁寧なプロセスが、クライアントにとって快適で負担の少ない制作体験につながっているのだと思います。

ASX株式会社 代表取締役

蓼沼 康之 氏

1981年生まれ。 20年前から、WEBブランディングをベースにしたWEBマーケティングと営業活動を実践することで、投資用区分マンションをプッシュ型営業が主流の時代に反響での成約に導いたり、飛衛門ゴルフボールを短期間で事業として確立(全国展開、業界シェア獲得)する。その後、大手不動産会社や金融機関向けに特化した不動産テック企業の営業部長として、短期間で組織とプロダクトををグロースさせる。
2021年にコンサルタントとして独立。営業・広告を一切行わず、不動産会社や大手ハウスメーカー、大手不動産情報サイトや不動産業界向けのITサービスを展開する企業だけではなく、不動産・建設関連以外の大手企業や、大手コンサルティング会社からもコンサルの依頼をいただく。その背景は、ただ売上や反響を増やす営業・WEBマーケ戦略ではなく、並行してプロダクトの改訂・改革も行い且つ「なんのためにやるにか」「誰の役に立つプロダクトなのか」「目標達成のためのHR分析」といった根幹の部分からの設計を行うことで、経営や営業活動に“疲弊しない組織づくり”を顧問先で実現。

WEBコンサルタントとしても「求める顧客像からの反響を得られるWEBサイトの企画・設計」と会社内でのウェブサイトの役割の明確化と効果の最大化に定評があり、独立後3年で100サイト以上のコンサルティングや制作に携わる。